張知序は、生まれながらにして全てを擁していた。
百年続く名家の血筋、誰もが羨む天賦の才、そして順風満帆な官途。
しかし、彼は人生を空虚に感じていた。
ある日、思いがけない事故に遭い、彼の魂は一人の女の身体に宿ってしまう。
文字さえ読めぬのに、身分違いの高貴な方へ嫁ぎ、鳳凰のごとく羽ばたこうと妄執する女──陳宝香の体へ。
陳宝香は田舎からはるばる上京してきたのは、己の色香だけで貴人に縁を求めようという浅はかな考えからだ。
彼女は富を貪り、権力にへつらい、目上の者には媚び、目下の者には傲慢で、損得しか眼中にない。
ありとあらゆる手を尽くした結果、それでもなお、思いを寄せる相手の心を掴めずにいた。
「俺の言う通りにすれば、お前を必ず『高嶺の花』にのし上げてやる」
名門の貴公子が、強欲な女の体に魂を宿し、彼女と身体を共有しながら、自らの手で“成り上がり”を演出する