2040年の東京。AIとARが当たり前になり、人は「選ぶ前に承認する」ことに慣れていく。警視庁の燈と雪哉は、事件になる前の"違和感"を消す任務を担っていた。だが、彼らが止めた出来事は、すべて"未遂"として静かに収束していく。
燈はそこに、不自然に整えられた「偶然」の存在を感じ始める。かつて妹は、AIに「大丈夫」と言わされ続け、本当の異変を伝えられないまま命を落とした。その記憶が、目の前の出来事と重なっていく。
やがて浮かび上がるのは、人の迷いやためらいさえ"最適化"しようとする仕組み。効率の裏で、感情は静かに切り捨てられていた。
止めるべきか、従うべきか――。
燈は、与えられた「正しさ」を疑い、自ら選び直す決断を迫られる。
便利さの先にある違和感と、失われていく感情を描く、静かな衝撃の近未来サスペンス。