満月の夜にのみ入ることが許される山、そこを祖母とともに訪れた或る晩のことを回想する形式で綴った物語です。日頃お目にかかれない特別ななにかに出遭えるかもしれないと足取り軽く意気揚々と出かけた『わたし』でしたが、待ち受けていたものは愛らしい妖精などではなく、図らずもその場所が抱え込んでしまった様々な人たちの生き続けるおもいでした。
【はじめに】【本文】【むすびのことば】とありますが、本文自体は児童書として制作したものがベースとなっていますので、文体もやさしく読者を選びません。また、本文のみで一つの完結した物語として読むことも可能です。全部で1万 3千文字の短編です。