田園は、私の心のよりどころであり、創作の源でもあります。長年にわたり、私はこの土地を歩き、観察し、記録してきました。自然に現れる動植物から、自ら育て加工した食材に至るまで、それぞれの文章は自然との対話の断片です。
本書『里山の観察ノート』には、長年にわたる田園での記録が収められています。そこには幼い頃の記憶もあれば、試行錯誤の記録、そして環境問題への省察も含まれています。本書は単なる一冊の本ではなく、生活の軌跡であり、土地の声の反響でもあります。
これらの言葉が、読者の皆さまに自然への感覚を呼び覚まし、土地への敬意と暮らしへの愛情を思い起こさせることを願っています。『里山の観察ノート』の文章は、この土地から生まれた言葉で構成され、三部構成となっています。
植物篇では、植え育てる過程での観察を記録し、根や茎の神秘から花や葉の生命の物語までを描きます。
動物篇では、田園を訪れる生きものたち――鳥、昆虫、トカゲや蛇――との予期せぬ出会いがもたらす気づきを綴ります。
人文篇では、土地から人の心へと視点を広げ、暮らし、記憶、思索の軌跡を映し出します。
私は自然の徒弟に過ぎません。この土地で観察し、学び、記録してきました。田園は私に忍耐を教え、畏敬の念を教えてくれました。一本の木、一握りの土、一匹の訪問者が物語を語っているのだとすれば、本書はそれに耳を澄ませた後の反響なのです。
この本は壮大な計画のもとに書かれたものではありません。日々の耕作の中で目にした出来事を書き留めてきただけです。植物の成長、動物の往来、人と土地の摩擦――それらはある瞬間、私の足を止めました。急いで理解しようとも、結論を急ごうともせず、ただ繰り返し見つめ、事物が自ら語り始めるのを待ったのです。
田園が教えてくれたのは、支配することではなく、限界を認めることでした。人にできることの限界、自然は期待に応えて動くものではないという事実、そして一つ一つの選択が痕跡を残すということ。
もし本書の言葉が、読者のどこかの瞬間に、土地や食べ物、あるいは身近で見過ごされがちな生命を思い出させることができたなら、この本はその役割を果たしたと言えるでしょう。あとは時間と田園に委ねます。
『里山の観察ノート』は、農薬や除草剤を使わない土地での長期観察記録です。植物の成長、動物の往来、人間の行為が環境に与える影響を記録しています。野草や果樹、鳥類、昆虫、外来種、さらには農薬、食の安全、人為的放棄が引き起こす生態問題に至るまで、本書は結論を急がず、時間と事実に語らせます。
本書は農作業の方法を教えるための本ではありません。土地、選択、責任についての現場の記録です。静かな文章を通して、読者に問いかけます――
人は、自然の中でどのように生きるべきなのか。