20代後半のある男が1人、大きなずだ袋を引きずりながら、雪山を登っています。
時折ものすごい吹雪が視界をさえぎり、行く手をはばみますが、それでも男は全身雪まみれになりながらも、一歩一歩登り続けました。
何かを思い詰めた硬い表情。
そして、沈んだ眼差しで。
しばらくして、山小屋にたどり着いた男は、そこに身を寄せました。
山小屋と言っても、子供が作る秘密基地程度の古いあばら小屋で、中はせまく、何もありません。
それに、あちこちのすき間からは容赦なく粉雪と風のかん高い口笛が吹きこんできます。
そして、そこは男にとって思い出の場所でした。
その夜、小屋の中で一晩過ごした男は、次の日、その山小屋の隣りに雪のいえを作りました。
いえの中は意外と広く、雪のテーブルやベッドや換気用の煙突もあります。
そして、人懐こくて明るいうさぎ。
理屈っぽいたぬき。
子ども想いのクマなど、森の動物たちとの交流。
雪女との出会い。
これらを通して、男は笑顔を取り戻しました。
そして、再び自分の力で生きていこうと誓いました。