人間の命よりも国家が大事,国民は国家のために存在するという時代があった.「国家のため」を理由に多くの命が奪われ,1人1人の人生が捻じ曲げられた歴史がある.その深い反省から生まれた日本国憲法.人間には生まれながらの生きる権利があると宣言し,基本的人権を守ることは国の責務となった.憲法12条,13 条,22 条,29 条に「公共の福祉」という言葉がある.
「公共の福祉」の名のもとに自由を奪われ,差別偏見にさらされ,生きざるを得なかった人たちがいる.そして,自らの生きる権利を取り戻すための闘いがあった.
本特集には命の尊厳を見つめつつ,どう生きるか煩悶した人たち,そしてともに歩んできた人たちの足跡が刻まれている.それは,人権を認め合える社会を希求した実践であり,研究でもある.「公共の福祉」の本来の意味と命の重みを学び,深めたい.
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目次
街角から 地域包括ケアの基本姿勢 前沢 政次
特集
公共の福祉と人権
薬害エイズ/旧優生保護法/ハンセン病/精神医療の断面図
■講演 かけがえのない「いのち」を見つめて 迫田 朋子
■当事者の声
薬害エイズ―命を守る社会に 川田 龍平
旧優生保護法―被害者25,000人の想いを胸に 北 三郎
ハンセン病―国策が私たちの人権を奪った 平良 仁雄
精神医療―温かく見守ってくれる人たちはいるのか? 佐々木信夫
■論考 らい予防法及び優生保護法違憲判決から学ぶ 八尋 光秀
■論考 医療・保健・福祉領域における「人権」と「権利」
法律学の歴史的展開の観点から繙く 岩隈 道洋
■対談 対等な関係を土台にした「公共の福祉」こそ
迫田 朋子/松田 正己
家族に注目 No.37 今村 香さん
仲間同士が支え合って生きる 第37回 櫻田なつみさん
本
『障害者ってだれのこと? 「わからない」からはじめよう』 八藤後 猛
『「もう1つの価値」に出会う 50のエピソードで綴る 50のヒント』 川邉 詩織
花野 和彦からあなたへ・27 花野 和彦
編集長から
編集後記
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