障害者権利条約の履行状況をめぐり,国連障害者権利委員会は日本への「総括所見」(勧告)を発表.「父権主義的アプローチ」に基づく日本の障害者施策・法制度を人権モデルへと転換するよう厳しく勧告した.
強い立場にある人が,弱い立場にある人の利益と判断し,本人の意志を問わずに物事を決定して進める.「相手のために」「良かれと思って」……善意のもとに行われる父権主義的な関わりが,私たちの日常にもある.
総括所見は国(政府)に出されたものだが,権利委員会が問うているのは国民全体の意識でもある.1人1人の人権意識にもとづいた意識の変革と,父権主義的アプローチにもとづく政策の転換,具体的な対応が求められている.
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目次
街角から 介護予防・生活支援サービスの利用について 野山 修
特集
総括所見で改善勧告がなされた「父権主義的アプローチ」の実像に迫る
■第1部 総論
パターナリズムに基づく自由制約の歴史的変遷 精神科医療法の日米比較を素材に 横藤田 誠
パターナリズム(父権的温情主義)が阻む差別解消への道 松波めぐみ
■第2部 障害領域における「父権主義的アプローチ」
総括所見における父権主義的アプローチへの言及 佐藤 久夫
障害のある人に関わる法制度・政策の父権主義的側面 崔 栄繁
パターナリズムからエンパワメントへ 意思決定支援と共生社会の実現 石渡 和実
■第3部 私たちのすぐ隣にある父権主義
パターナリズムを超えて 加藤眞規子
精神科医が父権主義に気づく時 福田 正人
パターナリズムからの脱却を目指して 森田 牧子
障害者権利条約に基づく日本政府報告に関する総括所見を踏まえて 佐川まこと
真に必要な支援を模索しながら 岡田 真輝
ピアサポーターの考えるパターナリズムとは 加藤康士さん 佐藤晃一さん
「愛」という名のもとの人権侵害 藤原久美子
インクルーシブ教育はパターナリズムからの脱却のキーポイント 一木 玲子
■第4部 総括―国連勧告にどう応えるか
すべての人の人権が守られる社会システムの構築を 家平 悟
連載
家族に注目 No.38 林あおいさん
仲間同士が支え合って生きる 第38回 南由美子さん
花野 和彦からあなたへ・31
編集長から
編集後記
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